瓦屋根のリフォーム・下地の修理と再構築に大工達が奮闘する

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指示を待っている人はいない

瓦職人さん達による屋根材と土地の撤去の後
次は大工さん達の出番。

3人のベテラン大工さんが応援に来てくれました。

まずは【破風】【広小舞】【品板】【裏板】と呼ばれる化粧材を撤去し、交換していきます。

 

既存の【破風板】は薄く痩せ細ってしまっていましたが
新しい破風は厚みもあり、さらに板金で巻いて仕上げる予定です。

 

 

【広小舞】という桧の部材を取付けているところです。

【広小舞】は垂木が暴れるのを防ぐ役割があります。
雨が当たりやすい軒先なので、腐食しにくい無垢材を使います。

 

雨漏りにより腐食している【垂木】がありました。
抜いて交換します。

 

桧の【垂木】を既存のサイズに合わせて加工して取付けます。
屋根替えの時は、こうなることを予想して常に新しい垂木を用意してきます。

 

大工さん達の一連の作業を見ていて思ったのは、
人の指示を待って動く人が一人もいないという事。

それぞれがそれぞれの役割を瞬時に判断して動いています。
ほとんど打合せをしていないにもかかわらずです。

ぼーっとしていたり、迷って立ち止まっている人はいません。

 

【品板】と呼ばれる部材を取付けます。

 

続いて【裏板】と呼ばれる杉の化粧板を貼っていきます。

サイズに合わせてカットしていきます。
先輩大工さんから急かされてますね。

 

釘打ち機で固定していきます。

尚、このお家は【中京間】といって、現在主流の【関東間】よりも
モジュールが広い造りになっています。

一般的に建材は1820ミリ単位、またはその倍数の寸法で造られていることが多いのですが
中京間だと1900ミリくらいのモジュールとなるため、半端がたくさん出てしまいます。

ここまでは、築年数が経過した和風の家ならではの作業と言えます。

現在主流になっている洋風の佇まいのお家は、軒裏に【ケイカル版】などを貼ったり
破風に【サイディング】を貼ったりして木部を隠すように造られているため
このような作業は必要ありません。

 

日没との戦い

次に、【構造用合板】を屋根に敷き詰めていきます。

こちらも裏板と一緒で、中京間のサイズに合わせて一枚ずつカットしなければなりません。

 

陽が傾き始めました。

暗くなる前に合板を貼り終え、【ルーフィング(防水シート)】まで
なんとしても貼り終えなければなりません。

もし途中になってしまって、夜中に雨が降ってしまったら大変です。

平均年齢50歳の大工さん達が、それぞれテキパキと
勾配のきつい屋根の上で頑張っています。

結構疲労がたまってきているのではないでしょうか。

夕焼けがきれいです。

大工さん達の頑張りによってなんとかルーフィングまで
貼り終えることが出来ました。

次回は一階の屋根の大工仕事です。

引き続き大工さん達に頑張ってもらいましょう!

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