震災が起きるたびに不安があった
築40年ほどの家。
瓦屋根のお家です。
軒先の軒天部分に少し雨漏りの染みが出来ていましたが、
屋根自体はしっかりしていて瓦のズレもなく
特に屋根替えの必要性は感じられませんでした。
ですが、お施主様がとても心配されていたのは、
瓦の「重み」です。
地震大国と言われる日本では、どこの地域でも大きな震災に見舞われる可能性はあります。
度々起こる震災において
瓦の屋根のお家が倒壊したり、瓦の落下でけが人が出たりする映像を目の当たりにする度に
「屋根をとにかく軽くしたい・耐震性を上げたい」
という思いが強くなったそうです。
![](https://yanegaihekiya.com/wp-content/uploads/2023/05/roof-cover-method-2-1024x768.jpg)
瓦から軽量金属屋根へ
1981年の6月に行われた建築基準法の改正で、
耐震の基準が大きく変わりました。
地震で倒壊してしまう多くの建物は
それ以前に設計され、建てられたものが多いようです。
こちらのお家も、旧耐震基準のもと建てられていたので
地震が来るたびに不安になると仰っていました。
調査と打合せを重ね、ガルバリウム鋼板の軽量金属屋根に葺き替えることになりました。
工事開始
工事開始です。
瓦と土を降ろします。
屋根材としての瓦の重みもさることながら
この土の量が屋根を重くしています。
土葺きの瓦屋根は、瓦をくぐって侵入した雨をこの土が一旦吸収するのですぐに雨漏りはしません。
通気性もあり、防火や断熱の効果もあります。
しかし、関東大震災や阪神淡路大震災で倒壊した建物の多くは土葺きの屋根だったことから
土葺きを採用するお家は減少しました。
![](https://yanegaihekiya.com/wp-content/uploads/2023/05/roof-cover-method-3-1-1024x681.jpg)
瓦と土を降ろした後は、屋根に新たな野地板となる合板を貼り
アスファルトルーフィングという防水シートを張ります。
もう土は使いません。
![](https://yanegaihekiya.com/wp-content/uploads/2023/05/roof-cover-method-6-1-1024x751.jpg)
軽量金属屋根「横暖ルーフ」を施工しました。
土葺きの瓦屋根と比べて、屋根の総重量は10分の1程度になりました。
![](https://yanegaihekiya.com/wp-content/uploads/2023/05/roof-cover-method-5-1-1024x768.jpg)
屋根が軽くなったと、お施主様も喜んでくださいました。
そして思わぬ副産物。
今まで開け閉めが困難だった押入れの襖が、スムーズに動かせるようになったとのこと。
重たかった屋根の荷から解放されたのでしょう。
ガルバリウム鋼板なのでトタンなどに比べても耐用年数が長く
塗装などのメンテナンスを頻繁にする必要もありません。
瓦やスレート屋根のメンテナンスでお悩みの方は
一度ガルバリウム鋼板の金属屋根への葺き替えや上貼りを検討されてみてはいかかでしょうか。